オフィスラブ【香穂 partV】


  • 正貴が香穂のマンションの合い鍵を欲しがるので、香穂は鍵を作り会社でこっそり
    渡したのだが、その頃から、二人はそれぞれ仕事が急激に忙しくなり、ほとんど
    会えないでいた。

    香穂に至っては、納期が迫っているというのに、ユーザから大幅な変更を要求され
    休みの日も出勤するほどであった。
    会社で正貴と目が合っても最初のうちは微笑み返していたが、今ではその余裕も
    なくなってきた。

    もうすぐ…もうすぐ終わる。。

    香穂はそう言い聞かせて力を振り絞った。

    正貴も正貴で忙しそうにフロアを行ったり来たりしてるかと思うと、終電ギリギリまで
    机でパソコンを睨んでいたりした。

    二人は既に1ヶ月程セックスしていなかった。どちらかの家にいても、二人とも疲れて
    眠ってしまう。会社でたまに正貴に強引に非常階段へ連れていかれ、こっそりキスするく
    らいだった。

    香穂は早く正貴とゆっくり過ごしたい気持ちで仕事に向かった。
    その日も香穂はみんなが帰っても一人で仕事をしていた。あと一週間で締め切りである。

    今日は徹夜になりそうだ…。
    香穂は左肩を揉みながらため息をついた。

    「お疲れ様」

    背後から声をかけられ香穂は驚いて振り向いた。正貴がコーヒーの紙コップを両手に持っ
    て立っていた。香穂は正貴から紙コップを一つ受け取ると、ありがとうと答えた。
    なんだか正貴の顔を見れて嬉しかった。

    「まだいたの?」
    「客先で障害対応してて、そのあと先輩たちと飯食べて俺だけ戻ってきたんだ」

    正貴もだいぶ疲れているようだった。
    香穂が心配そうに正貴を見つめると、正貴は微笑み紙コップを机に置くと、香穂の肩を
    揉み始めた。

    「香穂さんこそだいぶ大変そうだけど、体大丈夫?」
    「うん、あと少しだから頑張る」

    正貴が香穂の肩甲骨のしたあたりをぐいっと揉むと
    香穂はう〜気持ちいい〜と思わず声にした。

    「香穂さん、仕事落ち着いたら温泉でも行こうか」と正貴が言った。
    「本当?嬉しい!」

    香穂は予想外の提案に振り返り、正貴の顔を見つめ喜びの声を
    あげた。香穂は好きな人と泊まりで旅行をしたことがなかった。

    正貴は喜ぶ香穂を見つめ、微笑み返すと顔を近づけ香穂にキスをした。
    香穂は驚き、正貴から離れようとした。

    「ちょっと、誰かに見られたら・・・」
    「もう2時だよ?誰もこないよ。」

    正貴は再び香穂にキスした。今度は先ほどより深く。

    「んっ・・・」

    最初は周囲を気にしていた香穂も、久しぶりの正貴のキスに安堵し、夢中に
    なって応えていた。

    正貴は我慢できないといわんばかりに香穂の胸に手を伸ばした。

    「!」

    香穂はあわてて正貴の手をつかみ制したが、もはや正貴は止めるつもりなどなかった。
    すばやく香穂のシャツのボタンを1つ2つとはずした。

    「ちょ、ちょっと・・・あっ・・」

    正貴がブラの隙間に指を入れ、先端に触れると香穂は
    声をあげた。
    正貴は香穂のブラをぐいっと下にずらし、露になった胸をやんわりと揉みながら、軽く立った
    乳首を優しく咥え、舌でころころと転がした。

    「う・・ん・・・」


    香穂は両手で口を押さえたが、久しぶりの感触にどうしても声が出てしまう。
    正貴の顔を近くで見るのも久しぶりだった。

    香穂は、胸に顔を寄せた時の目を伏せた正貴の顔が好きだった。

    正貴が舌を尖らせて乳首を弾くと、香穂は体をピクンと揺らした。

    (どうしよう・・・したくなってきちゃう・・・)

    香穂は日頃の疲れでしばらく感じていなかった性欲が沸いてくるのを感じていた。

    正貴が再び激しいキスをしながら、両手で両方の乳首をクニクニとつまんだり、撫でたりし
    始めると、香穂は下腹部が熱くなるのを感じた。

    正貴がスカートをめくり、ストッキングとショーツを太ももまで下ろすと、ツ・・・と
    香穂の蜜液が糸をひいた。


    正貴は香穂の耳たぶを甘噛みしながら「すごい・・・濡れてる・・・」と囁いた。

    正貴の指が香穂の割れ目をいったりきたりすると香穂は我慢できないといった風に
    正貴にキスをした。

    正貴の指がすっかり潤い、既にぷっくりと立ったクリトリスにあたると香穂は
    体に電気が走ったようにぶるぶるっと小さく震えた。

    「あっ、あぁ・・・っ!」

    久しぶりすぎて、かなり敏感になっていた。少し触られただけでもビクッと震えてしまう。

    「なんか・・・久しぶりすぎて・・・あ・ん・・・」

    香穂は正貴の両腕を掴み胸に顔を押し当てしがみついた。

    相変わらずの優しい手つきに香穂はすっかり快楽を思い出していた。正貴がクリトリスの
    包皮をめくり、それを優しくいじり始めると、香穂はもはや一人で立っていられなかった。

    「あっ!だめ!あ・・・ん!!」

    正貴がクリトリスの側面を上下にすばやくしごく。

    (あっ!あっ!気持ちいい!!)

    香穂の太ももが小刻みに震え始めた。そろそろ絶頂を迎えるという合図である。

    「ま、正貴・・・私、もう・・・んんっ!」
    「イキそう?会社で、しかも自分の席でイクなんて、いやらしい人だな」

    正貴はいじわるそうにそう言った。そうさせているのは自分のくせに・・・。

    あともう少しでイキそうだというのに、正貴はわざとクリトリスを触らず、周辺に指をずらした。
    香穂がじれったいと思うと、再びクリトリスを刺激し、またじらす・・・を繰り返した。

    香穂は子宮の奥がきゅうっとなるのを感じた。早くイキたくて、イッた時の感触を思い出して
    体が疼く。

    「正貴・・・!お願い・・・」
    「お願い・・・何?」

    正貴は香穂をいじわるそうに見下ろして言った。

    「イかせて・・・」

    瞳を潤ませ、唇をぬらした香穂が息も絶え絶えに囁くと、正貴は愛しくて
    たまらないといった顔をして香穂に激しいキスをした。

    「ん!ん!んん!!」

    正貴の指が激しく動き始めた。更に二本の指が、割れ目の奥深くに侵入すると
    香穂は想像以上の快感に我を忘れた。

    (なんて気持ちいいの・・・!)

    正貴の舌が香穂の舌を絡めとる感触、正貴の中指の腹がクリトリスを
    しごく感触、正貴の二本の指が香穂の内側をぐいっと刺激する感触に、香穂はもはや頭が真っ白で
    あった。

    (あ!あん!だめ・・・いく!!)

    瞬間香穂は体を激しく震わせ、床に崩れそうになったのを正貴に抱きかかえられた。

    そのまま正貴は香穂を机に上半身をうつ伏せにし、既に張り詰めて爆発しそうな自分のモノを
    香穂のまだヒクついて、たらたらと蜜液のこぼれる割れ目にあてがった。

    正貴がゆっくり挿入すると、香穂は背筋がぞくぞくっとし、さっそく正貴のモノを締め付けた。

    「香穂さん・・・そんなに締め付けたら・・・すぐいっちゃうよ・・・」

    正貴も久しぶりの香穂の感触に酔いしれているようであった。
    静かなオフィスにいやらしい音が響く。
    後ろからズクッズクッと突き上げられ、香穂は声を我慢できなかった。

    「あっ!あん!ん!ん!」

    机の上の資料を目にして、香穂はとうとうオフィスでこんなことを・・・

    と思いながらも、とても興奮していた。


    「俺としてない間、他の男としたりしてない?」

    正貴が息を荒げながら囁く。

    「ないよぉ・・・」

    正貴の指が前方に伸び、再び香穂のクリトリスを刺激し始めた。

    (もう・・・!そこいじったらすぐいっちゃうよ・・・!)

    「それとも忙しくて俺のこと忘れてた?」
    「あっ!ん!・・・忘れてないよ・・・ん!早く・・・こうしたかった・・・あぅ!」

    正貴はもはや我慢できる余裕をなくしていた。香穂がいつもに増してきつく締め付けるのだ。
    クリトリスをしごく指も早さを増し、腰の動きは力強くなり、香穂の奥深くを突き上げた。
    香穂は声にならない声をあげ、再び絶頂が来るのを察知した。

    「あぅ!正貴ぃ、もう、いきそう・・・あ!だめ!いっちゃうぅ!!」
    「俺も・・・いくよ・・・」

    正貴のモノが香穂の子宮の奥をがつん!と突いた瞬間、香穂は体を反らせたかと思うと、びくっびくっと
    震わせた後、机に倒れこんだ。

    正貴は香穂にぎゅうっと締め付けられると同時に目をつぶり、のぼりつめた瞬間の快感にひたった。
    はぁ、はぁ・・・と荒く息をする香穂を起き上がらせ、ちゅっ、ちゅっとキスをした。

    香穂は早く仕事が落ち着いて、正貴にたくさん抱きしめられたいと思った。


    納期直後、香穂は連日の激務から開放された安心感からか突然高熱を出し、倒れた。

    毎日夜遅く正貴が仕事帰りに香穂の家に寄り介抱してくれたが、熱がなかなか下がらず、
    近くの病院で点滴を打ってもらって家で寝ていた。

    (張り詰めていた糸が切れたかな・・・)

    香穂は熱でうなされながらも、正貴が介抱してくれる喜びを噛み締めた。
    この人に甘えていいのだと改めて思った。

    4日目にしてようやく熱が下がってきた。しかし、まだ37℃を軽く超える。
    頭がぼーっとするが、汗をたくさんかくため、水分補給を常にしていた。

    ポカリを飲んで再び寝ようとした時、チャイムが鳴った。

    (8時・・・正貴、今日は早く終わったのかな)

    しかし、正貴なら一度携帯に連絡が入ったあと、既に合鍵を持っているので、具合の悪い香穂に
    玄関まで向かえにこさせることもなく勝手に入ってきていた。

    香穂は正貴じゃないと思いつつも、具合が悪いので出る気にならなかった。
    ほっておこう・・・そう思った時に、玄関のドアががちゃっと開いた。

    香穂は驚いて、起き上がった。そこにはかつて愛した課長がいた。

    「なんだ・・・もう寝てたのか。入るぞ。」

    香穂は驚きを隠せなかった。何故課長がここに!?

    「会議で東京に来てね。・・・なんだ、具合悪いのか?」

    香穂はぼーっとする頭で考えた。何故この人はここに来るの?別れたはずじゃない・・・。
    いや、とにかく、正貴のいる今この人をこの部屋に入れてはいけないのだ。


    「課長・・・帰ってください・・・」

    香穂はやっとの思いでそう言った。

    「なんだ・・・久しぶりに会ったっていうのに。」

    課長は歓迎されるとでも思っていたのか香穂の拒絶に驚いているようであった。

    「そうか・・・ほっとき過ぎて怒ってるんだな。悪かったよ。
    でも君が連絡を取らないほうがいいと言うから・・・」

    そう言ってベッドに腰掛け、香穂の肩を抱いた。香穂は反射的にその腕を振り払った。
    あれだけ愛し合ったというのに、触られると嫌悪を感じた。

    「すみません・・・本当に・・・帰ってください」

    香穂は合鍵を返してもらわなかったことを深く後悔していた。
    でもまさか課長が再び訪れるなんて思っていなかった。
    香穂の中で課長はもう「過去の人」だったのだ。

    「君・・・もしかして新しい男でも出来たのか?」

    香穂はドキッとした。正貴も課長のかつての部下である。

    「私がいなくなったとたんに男が寄ってきて浮かれたか。君って人は節操ない女だったんだな。」

    課長は突然低い声になり、薄く笑いながらそう言った。

    香穂は徐々に怖くなってきた。ただでさえ体が弱っている時である。何かされたら・・・。

    その時、携帯が鳴った。正貴だ。しかし、香穂は出ることができなかった。
    課長と一緒にいる時に電話に出て、誤解されたくなかった。

    課長はおもむろに香穂の体を引き寄せ胸を掴んだ。

    「いや!やめて!」

    香穂は弱弱しい力で抵抗した。課長の体臭がしたが、懐かしさではなく先ほどと
    同様の嫌悪しか感じなかった。


    「新しい男に君の体は合わないんじゃないか?私専用に開発されてるからな」

    課長は嫌がる香穂のことなどおかまいなしに香穂にキスし、パジャマの下に両手を突っ込み、
    荒々しい手つきで胸を揉んだ。

    (いや!いやだ!正貴!)

    課長のねっとりとしたキスに香穂は吐き気すら覚えた。どうしてこんな男を私はあんなに愛して
    いたのだろう。香穂は必死に逃げ出そうと、もがいた。

    課長はそれに興奮してか、ズボンのチャックに手を伸ばし、下ろすとおもむろに自分のモノを
    香穂の口にあてがった。

    「!!」

    香穂は猛烈な嫌悪感と恐怖で泣き出した。その間も課長は課穂の頭を掴んで前後に
    揺らし、自分のモノを出し入れした。

    「どうした。ちゃんと舐めないか。」

    喉の奥に突っ込まれ、香穂は嘔吐しそうになった。
    香穂は思い切って課長のモノに噛み付いた。

    ぎゃあ!と大声をあげて課長が香穂を突き飛ばした。その拍子に香穂はベッドから転げ落ち、
    逃げようとドアへ向かおうとした。

    しかし、課長はすばやく香穂を羽交い絞めにし、香穂の上に馬乗りになると香穂の頬を叩いた。

    「やってくれたな・・・!君ってやつは・・・恩を忘れたか!」
    「いや!やめてえっ!助けて!!」

    課長は自分のそそり立ったものを香穂にあてがった。香穂はもうだめだ・・・と思った。


    その時、玄関のドアが勢いよく開いた。正貴が恐ろしい形相で立っていた。

    「な、なんだ、君は・・・」

    課長は突然の侵入に驚き、力を抜いた。
    その瞬間に香穂は課長の体の下から抜け出し、泣きながら正貴に飛びついた。

    正貴!正貴!正貴!!

    香穂は正貴にしがみつき体を震わせて泣きじゃくった。
    正貴は香穂を力強く抱きしめながら課長を睨み付けた。

    「あんたって人は・・・・!!」

    正貴の体は怒りで震えていた。

    「・・・お前・・・岡田じゃないか。」

    課長は焦りながらズボンを履いて言った。
    そして立ち上がると、平然として言った。

    「新しい男ってのはお前か。私の次にこんな若いの選ぶなんて、香穂、君は本当に節操ないな。
    まあ、君ぐらいの性欲の持ち主だと若くないと相手できないか。」

    くく・・・っと課長は笑った。

    正貴はその顔を思い切り殴った。鈍い音がして課長が床に倒れこんだ。香穂が小さく悲鳴を上げた。

    課長はよろよろと半身を起こしながら言った。

    「おい・・・岡田、何したかわかってるのか。上司に暴力ふるいやがって・・・」
    「あんたこそ・・・強姦じゃないか!」

    正貴は再び拳を握った。

    「なーにが強姦だ。私はこの女の体の隅々まで知ってるというのに。笑わせるな。」

    正貴が二回目の拳を振り下ろそうとした時、香穂は正貴の体にしがみつき、止めた。

    「正貴、もうやめて!」

    香穂はそう叫ぶと課長を涙があふれる目で睨んで言った。

    「課長・・・私が3年間、何もしてなかったと思ってるんですか」
    「・・・どういうことだ?」

    香穂は引き出しから小さなテープをいくつかと、ICレコーダを出した。

    「課長がこの部屋にいる間に録ったものです。奥さまに送りつけることなんていつだって出来ます。」

    課長はこのセリフに体を強張らせた。

    「今日のことは・・・忘れます。ですから、もう二度と来ないでください。」

    課長はしばらく香穂の顔を見つめると、上着と鞄を持って出て行った。


    香穂は課長が出て行くのを確認すると、全身の力が抜け、その場に崩れ落ちた。
    すかさず正貴が駆け寄り、香穂を抱きしめた。

    「正貴、ごめんね、でも私、いやだって言ったよ、やめてって・・・」

    香穂は恐怖が蘇り、泣きながら弁解しようとした。

    「わかってる、わかってるから・・・」

    正貴はぎゅっと抱きしめ、香穂の頭を撫でた。
    正貴は香穂を抱きかかえてベッドに運び、布団をかけた。

    正貴に見つめられながら手を握られ、香穂は徐々に落ち着きを取り戻した。
    正貴は、はー・・っとため息をつき、目を瞑った。

    「最初・・・二人の姿を見た時、心臓が止まるかと思った。あいつを・・・殺してやろうかと思った」

    正貴は再び目を開いた時、少し涙が浮かんでいるように見えた。
    香穂は胸を突かれ、本当に正貴が来てくれてよかったと心から思った。

    香穂の叩かれて少し赤くなった頬をそっと指でなぞったあと、
    正貴は香穂のおでこに自分のおでこをつけ、囁いた。

    「だめだ・・・俺、香穂さんが好きすぎて・・・。胸が引き裂かれそうだった。
    もう二度とこんな目にあわせたくない・・・。」
    「正貴、私もう大丈夫だよ。正貴がいてくれるから・・・もう大丈夫。」

    香穂は正貴の手を両手でしっかりと握った。
    正貴は香穂を見つめて、軽くキスをした。

    「香穂さん・・・一緒に暮らそう。これからもずっと、一緒にいたい。」

    香穂は突然の申し出に驚いたが、徐々に嬉しさがこみ上げてきた。

    「うん・・・私も・・・」

    香穂は素直に答えたが、正貴はクスっと笑った。

    「わかってる?これ、プロポーズだよ?」

    香穂は更に驚いた。

    今なんて・・・プロポーズ!?


    香穂は今度は口を開いたまま、ポカーンとした表情で固まった。

    「ま、待って・・・私と結婚するって言ってるの?」

    香穂は思わず半身を起こして身を乗り出して言った。
    正貴は一指し指の甲で香穂の頬を撫でた。

    「一生一緒にいて欲しい。俺だけのものになって。」

    香穂は胸がきゅうっとなった。こんなに私を愛してくれる人がいるだろうか・・・。

    「・・・私でいいの?」

    香穂は確認するようにおずおずと尋ねた。

    正貴は愛しさで目を細めて言った。

    「あなたじゃなきゃだめなんだ」

    正貴はもう一度軽くキスし、香穂を見つめた。香穂は嬉しさで胸がいっぱいだった。
    自然と涙が流れ、正貴の顔がぼやけた。
    正貴は再び顔を寄せ、香穂の唇を割って舌を滑り込ませた。

    ちゅ、ちゅと音を立ててキスしていたが、香穂は自分が風邪を引いていることを思い出し、
    「移るよ」と言って正貴から離れた。

    「移したら治るよ」

    正貴は香穂に覆いかぶさり香穂の頭を枕に押し付けるようにしてキスした。

    「ふ・・ん・・・」

    香穂は驚きの連続でしばし忘れていた熱によるけだるさを再び思い出した。

    「口の中、熱い・・・」

    正貴はそう言いながらもキスをやめなかった。
    香穂は熱による熱さ以外のものが体から湧き出てくるのを感じた。

    そうだ・・・私はもうこのキスしかしたくないのだ・・・。

    正貴は夢中になって香穂の唇をむさぼった。香穂の体が徐々に熱を帯びていく。

    少しして正貴は香穂から顔を離した。
    香穂はすっかり息が荒くなり、熱のせいだけでなく瞳を潤ませていた。
    頬はピンク色に染まり、先ほど泣いたからか、目じりのあたりもピンク色に染まっている。

    「キスだけにしようかと思ったけど・・・」

    そう言いながら正貴は香穂のパジャマをめくり、ぷッくりと立った乳首を口に含んで、舌で突付いた。


    「ちょっと・・・さすがに今日は・・・」

    香穂はぼーっとした頭で答えた。
    香穂は全身の気だるさのせいか、正貴に舐められた部分がいつもより冴えて快感を感じていた。

    「ん・・・正貴・・・」

    香穂は体がかあっと熱くなるのを感じ、身をよじった。

    正貴はそのまま香穂のパジャマの下と下着を脱がせ、熱をおびた太ももに舌を這わせた。
    香穂はやはりいつもより敏感になっている気がした。
    正貴の舌が下半身を舐めまわし始めると、いてもたってもいられなくなった。

    正貴の舌が香穂の熱く、潤いを増した膨らみにたどりつくと、香穂は頭をあげ、正貴の顔を見つめた。
    正貴の舌がピンク色の突起を円を描くようにつつ・・・と舐める。

    「はぅ!」

    気持ちよさに香穂は目を瞑った。しかし、目を閉じると快感は更に冴え、気持ちよさに
    引きずられる。

    「あ!正貴!気持ちいいよぉ・・・!」

    香穂はもぞもぞと起き上がり、正貴を仰向けにベッドに寝かせると、
    正貴のモノを加えた。自分でも口内が熱いのがわかる。

    正貴は香穂に自分の顔をまたぐ体勢にし、香穂の割れ目を両手で開き、蜜を舌先ですくうとそれで
    クリトリスをくりゅくりゅっと刺激した。

    「う・・・」

    香穂はたまらず腰を浮かせたが、正貴がしっかりとつかみ更に舌で優しく刺激した。

    「ん!ん!」


    香穂は唾液を潤滑材にし、正貴の竿をぬるりぬるりとしごき、ぽってりとした唇をすぼめ
    顔を上下させた。
    しかし、正貴の愛撫に時折手が止まってしまう。

    (イキそう・・・)


    正貴が舌で舐めるのをやめ、中指をすでにぐっしょりと濡れた香穂の割れ目に突っ込み、とろーっと
    こぼれた蜜液をからませ、中指の腹でクリトリスを刺激し始めると、香穂は気持ちよさにさらわれない
    よう必死に正貴のモノをしゃぶった。

    「ふ・・ん!ん!んぅ!」

    唾液でぐっしょりと濡れた香穂の指は、正貴を最高潮に張り詰めさせた。

    「香穂さんの口の中・・・熱くてイキそうだよ・・・」

    香穂はそれを聞いて更に正貴を刺激した。袋を柔らかく揉み、アナルに指を這わせる。
    正貴の方でも香穂に指を二本突っ込む。

    香穂はとうとう耐え切れなくなって、口から正貴のモノをはずした。

    「あん!だめ!それ以上したら・・・!」

    香穂は大きな波が近づいてくるのを感じた。
    正貴は再び香穂のクリトリスを口で啄ばみ、ちゅうっと吸いながら舌でそれを転がした。

    「あぅ!だめぇ!いっちゃう・・・」

    香穂は正貴のそり立ったものを思わずにぎりしめ、体を震わせ絶頂を迎えた。
    正貴はイクのを我慢し、香穂を自分の上に馬乗りにさせた。

    「自分で入れて」

    香穂は正貴のモノを指でつかみ、自分の中に導いた。
    ぬ、ぬ・・・とゆっくり入れると、香穂はぶるっと体を震わせた。

    (あ・・・どうしよう・・・。上に乗ったほうが奥にあたって・・・)

    最初は正貴がゆっくり香穂の腰を前後に動かしていたが、次第に香穂は自分で腰を動かしていた。

    (奥・・・気持ちいい・・・)

    「すごい・・・エロイ腰つき・・・」

    香穂が動くたびに乳房がゆさゆさと揺れる。
    正貴は香穂の胸を両手で鷲掴みした。

    「あ!あ!すごい・・・!」

    香穂は我を忘れて腰を動かした。ぐちゅっぐちゅっと音も激しく立ち始める。

    「香穂さんの中・・・すげえ熱い・・・溶けそうだ」

    香穂も子宮の中が熱くなるのを感じていた。

    しかも・・・何かたくさん出てる・・・。

    香穂は自分で腰を激しく動かしながら、潮を吹いていた。正貴の腹の上はぐっしょり濡れていた。
    正貴はもはや我慢できなかった。香穂の腰を両手で掴むと、下から激しく突き上げ始めた。

    「あ!あ!あぁ!!」

    香穂は頭がくらくらして、何も考えられなくなっていた。

    「正貴!正貴ぃ!」

    正貴が突き上げるたびにぐしゅっと音がした。
    見下ろすと正貴の顔を見つめた。

    正貴こそ・・・顔を歪めて、なんて色っぽい顔してるの。。

    正貴は起き上がり、そのまま香穂を仰向けになるようベッドに押し倒し、正常位の体勢になった。
    深くキスをし、言った。


    「愛してるよ・・・」

    香穂は朦朧としながらうなずいた。

    (私も・・・)

    正貴の腰が絶頂を迎えるために早く動き始める。
    正貴は更にきつく香穂の唇を吸った。正貴の愛情が口から注がれる。
    香穂は意識を失いそうになりながら、キスに答えた。

    (だめ・・・もう・・・)

    香穂は意識が朦朧とし、無意識に絶頂を迎えた。

    正貴は香穂の最後の締め付けに動きをとめ、目をつぶり射精が終わるのを待った。

    びくんびくんと正貴のペニスが何回かにわけて射精する。
    正貴は気持ちよさに浸り、目を開くと意識を失っている香穂を目にした。


    目を覚ますと、正貴が心配そうに香穂を見つめていた。

    「良かった・・・」

    香穂が目を覚ましたので、正貴は安心して言った。

    「具合悪いのに無理させて・・・ごめん」

    正貴は申し訳なさそうに謝った。

    香穂は微笑み、「すごく気持ちよかった・・・」と言って正貴にキスした。
    しばらく何も話さず、正貴の腕枕で香穂は幸せを噛み締めていた。

    「でも・・・意外だったな・・・」
    「何が?」

    正貴は腕枕している方の手で香穂のピンク色の乳首をつんとつつきながら言った。

    「香穂さんが課長との逢瀬を録音してたなんて・・・さ」

    香穂はクスッと笑うと正貴を見上げて言った。

    「あれ・・・嘘なの」

    正貴は驚いて香穂の顔を覗き込んだ。

    「嘘だって?」
    「あの時は、もうはったりでもなんでも言って、帰ってもらおうと思って、とっさに言ったの」
    「やるな・・・」

    正貴は侮れないな〜と言って笑った。

    香穂は愛する人の笑顔を見つめて、自分も笑った。
    そしてその安心感の中、再び襲ってきた気だるさと睡魔に目を瞑った。



    END

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